国民年金の追納とは?

日本国内に住むすべての人は、20歳から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられています。しかし、学生納付特例制度を利用したものの追納していない方や、昔は学生時代に“任意加入”だったからと、保険料を支払っていない方も多いかもしれません。
そのような方には国から『追納』という通知が届くことがあります。
この『追納』をするべきか否かを解説していきます。

1.追納とは?

まず、年金は学生で働いていない場合、社会人でも一時的に収入が途絶えるなど、年金の支払いが困難な場合、学生納付特例制度や、保険料免除制度や保険料納付猶予制度にて、支払いを猶予できます。
しかし、この特例の承認を受けた期間がある場合は、保険料を全額納付した場合と比べて、受け取ることのできる年金額が少なくなります。そのため、あとから追加で支払えるという制度が『追納』です。

ただし「手続きをしたうえで、免除期間や猶予期間がある人」に限られています。単なる未納の人は追納できません。国民年金の保険料は、納付期限から2年以内に納めなければ未納が確定してしまいますので、注意しましょう。
参照元:保険料を納めなかった期間がありますが、今から納めることができますか。

2.追納の期限は?

年金の追納には、期限があります。追納ができるのは、追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限られています。
また、追納は、保険料の免除や納付猶予、あるいは学生納付特例の承認をされた期間のうち、原則的に古い期間の分から納付することになります。

追納に関する注意事項(その他)

(1)保険料の免除もしくは納付猶予を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。
(2)老齢基礎年金を受給することが出来る方は、追納できません。

3.追納する場合としない場合の差額

保険料を2年間猶予された後、追納した場合と追納しなかった場合を比べると、年金受給額は月3,300円、年間で約4万円の差があります。追納額は約39万円なので、年金を10年以上受け取るのであれば追納したほうが得ということがわかります。

例)保険料支払い猶予を2年間の場合

4.追納すると税金対策となる?

年金の追納は税金対策という観点もあります。追納分は社会保険料控除の対象となり、その分所得税や住民税が軽減されます。以下の図は、40万円追納した場合の事例です。

年収500万円の方が40万円追納すると約12万円節税

例えば、年収500万円(適用税率:所得税10%、住民税10%)の人が、学生納付特例制度を利用し猶予を受けていた期間の保険料20万円(約1年分相当)を追納します。そうすると、その年の年末調整を行えば4万円が戻ってくるのです。

申告方法は年末調整確定申告の2種類です。
追納の証明資料として「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」または「納付書・領収(納付受託)証書」のいずれかが必要です。

年末調整の場合は、追納時期により「控除証明書」の到着が年末調整に間に合わない場合もあります。その場合、控除を受けるには確定申告が必要です。年末調整・確定申告まで「控除証明書」「領収(納付受託)証書」は大事に保管しておきましょう。

この様に追納をするとご年収などによっては効果的になることもあり得ます。

また、年金を受け取るまでの年数やどの程度の額を収めるかによって、その原資を投資へ回すという考えに至る方も多くいるでしょう。

収めた場合の受け取れる金額と、投資して得られるリターンを比較して検討されると良いですね!

プラスα.複利で100万円を30年投資すると?

仮に100万円を30年間年率10%で運用した場合は、100万円が1,000万円以上のリターンを生む事もあります。
その分投資はリスクも伴いますので、どこまで許容できるか?がポイントとなります。

追納か、投資か、皆さんの考え方で未来は大きく変わります。

それでは今回はこの辺で!