気になる情報があるが、どうすれば良いか分からず、適当にやり過ごしてしまうことがあります。そんなときは、数年たって「なぜ、もっと詳しく調べなかったのか?」と後悔することも多いでしょう。
しかし、そういったマインドは、ふとしたきっかけで改善することがあるのです。
今回解説する「生きがいの創造」は、そんな後悔の種になり得る既成概念や偏見を克服する考え方が学べる書籍となります。
はじめにお断りしておくと、生きがいの創造はややスピリチュアルな要素を含んだ内容となりますが、当記事ではその点を勧めているわけではありません。
ただ、「こんな捉え方があるのか」という気づきに繋がり、新たな発見をもたらす可能性があるので、あくまで考え方の一つとして参考にしてみてください。
「生きがいの創造」(飯田史彦著)とは?
飯田史彦氏著の「生きがいの創造」は、初版発売以来、完全版まで200万部を超えるベストセラー・シリーズです。スピリチャルな事象を科学的な視点で解明し、「永遠の生命」や「神・仏」を探求する意味と、「ブレイクスルー思考」に至るまでの生きがい論が綴られています。
この大ベストセラーの著者、飯田史彦氏のプロフィールから見てみましょう。
飯田史彦氏プロフィール
●出身地:広島県竹原市
●生まれ年:1962年 ●最終学歴:学習院大学院経営学研究科終了 ●職歴:1990年、福島大学助教授 1996年、「生きがいの創造」を出版 2009年、教授職を辞し、京都で「飯田史彦メンタルヘルス・マネジメント研究 所」を設立し、企業や病院のコンサルティングやカウンセリングを開始 |
本書のあらまし
飯田氏の思想は、宗教的メッセージが濃い一方で、宗教団体を作ることには否定的な態度をとっており、多くの医療関係者や企業経営者から共鳴を得ています。
その研究結果から生まれた思想を記した本書の要点を、まずは紹介します。
第一章 過去の人生の記憶
この章では、飯田氏の研究で実際にあった数々の被験者の事例が詳細に紹介されています。この実験は、被験者が退行催眠状態で語る記憶を探るもので、多くの被験者に共通するのは、肉体を持たずに意識として自覚した記憶を残しているという点です。
この記憶において、我々が「あの世」と呼ぶ世界は、「この世」にある物質が存在せず、「時間」という概念もない世界を示しています。そこでは、あらゆるものがイメージやビジョンとして現れ、ビジョンこそが現実だと飯田氏は説いています。
その意識体の姿は、「光のよう」と表現されており、波長の高さによってまぶしさが異なるものの、万人は本来「光」であると解説されています。
第二章 人生のしくみ
この章では、退行催眠の研究成果として、「肉体に宿っていない状態の間に、我々自身で次の人生を計画するという仕組みがわかった」としています。
被験者たちの記憶によると、意識体には光の指導役が存在し、終えた人生を振り返って反省したのちに、彼らの助言を参考にしながら、次に生まれ変わる人生計画を立てたことを思い出すことも共通点です。
この記憶の中で、繰り返す人生を通じて太い絆を築き上げてきた他の意識帯のソウルメイトと相談しながら、次の人生を計画するケースが多いことも分かっているとしています。
また、自身で行う次の人生設計では、自分自身に与えるべきいくつもの問題を、人生の最適な時期に生じるよう「自働発生装置」をしかけるようです。
つまり、問題が生じたときに「良心的な、愛のある、前向きな解決方法」か、「良心的でない、愛のない、後ろ向きの解決方法」という、大きく二通りの選択肢を自らが用意するとされています。
そして、この世で「良心的な、愛のある、前向きの解決方法」を選択できたとき、成長の段階を一つあがることができたと認識できるようです。逆に「良心的でない、愛のない、後ろ向きの解決方法」を選ぶと緊張、争い、疑い、敵意に満ちた方向へと進んで行くとされます。
我々は、これらを「運が良い」とか「運が悪い」と認識しますが、自分自身で用意しておいた「ごほうび」や「試練」を、自分で選んでいると言えるのだと飯田氏は述べています。
要するに、人生で起こる試練などは、成長するために自分自身で用意した問題集であり、わざと自らが厳しい環境を用意したことを今世で選択しているのだと飯田氏は結論付けているのです。
第三章 愛する故人とのコミュニケーション
これらの研究結果で飯田氏は、「人間関係も修行」と結論付けています。我々が物質世界に生れてくるのは、主に「人間関係」という試練を乗りこえて成長するためだったと、さまざまな被験者の退行催眠で語られた記憶を基に説明されています。
自身の愛のレベルを確かめ、高めていくには、肉体をもってこの世(物質世界)に生まれてくるしかありません。そのため、我々はわざわざ何度も肉体を持って、物質世界に「人間関係の修行」をするためにやってくるとのことです。
また、この研究では、愛する故人とのコミュニケーションにも触れられており、親子や夫婦、親友などの人間関係にはすべて深い意味があるとされていました。それらの人々は過去何度もの人生を、深くかかわり合いながら修行してきた、いわば「戦友」たちだと説いています。
第四章 「永遠の生命」や「神・仏」を科学する意味
意識体としての我々は永遠でも、人間の肉体には限界があり、必ず定期的に取り替えなくてはならなくなります。
これが、この世でいう「死」であり、肉体という「器」の交換です。ここでは、今世で解いた問題と解き残した問題とを確認し、新しい問題集に作り替えてまた生れてくるということにすぎないと飯田氏は説きます。
そして、「死ぬ」ということは、ただ「肉体」という衣服を脱いで着替えるに過ぎず、先立った懐かしい人々との再会が待っている、この世に残す家族はやがて自分が迎えに来ればよいとしています。
また、「死」とはこの世での修行を終え、ふるさとに帰って行くことなので、死を迎える時には、「さて、次はどんな人生を計画してみようかな」と、未来を想像しながらポジティブに死んでいけばいいのだと、とも飯田氏は解説していました。
この考え方は、自分の人生に意味を見出すきっかけになりますよね。
第五章 「ブレイクスルー思考」による生きがい論
「ブレイクスルー思考」とは、目先の目的に囚われたり、類似した問題解決策を真似したりせず、本来の目的を意識して、新しい方法を見出そうとすることに重きを置いた思考法のことです。
一般的な問題解決は、「現状の正確な把握」「問題の原因分析」「対策の検討と実施」という流れで、最終的に「現状の改善」が目標になります。
これに対し「ブレイクスルー思考」は、「そもそもの目的」や「目標を実現するために必要なシステムや方法」から思考を始めるというものです。
飯田氏は、現世のさまざまな悩みや事象に晒される中で、「ブレイクスルー思考」によって生きがいを見出すべきだと説いています。
そして、人生の最終目的は、「自分で計画した問題を解く修行」であり、「自分らしさ」(アイデンティティ)の追求の場で、さまざまな価値を創造しながら成長していく過程でもあるとのこと。
しかし、決して「苦行」ではなく、多くの人々と出会い、大いに愛し合い、力を合わせ、自分なりの趣味や娯楽を楽しみながら創造的に生きるべきとしています。
「生きがいの創造」から自身の人生を創造する
それでは、「生きがいの創造」から自身の人生を創造するには、具体的にどうすれば良いのでしょうか。
以下で飯田氏の研究結果を参考にしていくので、考え方の一つとして捉えてください。
研究被験者の証言と事実関係
飯田氏は研究結果を定期的に更新しており、本書を出版した以降も講演会などで最新情報を公表しています。
ここでは本書が出版された後の講演会で紹介されていた症例を数例取り上げました。
NTT九州病院 中原先生
1996年10月7日の症例によると、当時3歳程度だった真帆ちゃんは、以下の発言のとおり、神様と呼ばれる存在の記憶を持っており、母親と会うために生まれてきた、とも語ったそうです。
- 「真帆は生まれる前は神様のところにいたんだよ、そしてママに会うために生まれてきたんだよ」
- (神様のところで何してたの?という問いに対して)「遊んでたよ、そしたらママのところに行きなさいと言われてきたんだ」
- 「神様ってお髭があって、とってもやさしかったよ」(ヒゲをはやした人に威厳を感じている)
東京都在住の女性
以下は、ひめゆり部隊の一員だった方が前世の記憶を語った際の記録です。
●仲本よしこと生きていたがひめゆり部隊の一員として亡くなる
●亡くなる寸前、Fさんから防空壕の奥に向かおうと誘われたが、断った直後にガス弾を投げ込まれ、爆発に巻き込まれて死亡した この記憶から、Fさんに会いに行ったところ、Fさんは手記を残していて、その当時の様子が記されていたが、全く女性の記憶と同じであった。 科学者として、これらの事実を否定する勇気がない。 目の前で焼きただれて亡くなっていくこどもを救えなかった罪悪感が酷いアトピーとして現れた京都の男性が、その罪悪感を捨てるよう促されたところ、数ヶ月後に完治した。 |
この講演会では、その他多くの症例が飯田氏本人から報告されていました。それでは、これらの事象を参考にし、どのように人生に落とし込めば良いかを考えていきましょう。
自身の人生を創造する
飯田氏が本書で解説している内容に基づき、自身の「人生を創造する」ためには、「ブレイクスルー思考」が重要と言えるでしょう。
具体的には、現在の時代背景を分析し、自身の人生における本来の目的を探ることから始めてみると良いかもしれません。
まず、「なぜこの時代に生まれてきたのか」というポイントです。現代は、失われた30年と言われるほどに長引くデフレ経済から、コストプッシュインフレが到来しており、以下のように整理できます。
- 氷河期世代を生んだ新自由主義を推進する日本政府の経済政策と緊縮財政
- 2001年から始まったゼロ金利政策が解除された
- インフレにもかかわらず、消費税増税や社会保険料の増加により国民負担率は過去最高となり実質賃金は、過去最低レベルを更新
こういった背景から、厳しい生活を強いられている方も多く、そういった目の前の現状を悲観するケースも少なくないでしょう。
しかし、「生きがいの創造」を参考にすると、次のようにも考えられるのではないでしょうか。
- 自分だけが苦しいわけではない
- 人生最大の危機が訪れているがチャンスはないのか
- 現代を生きる中でもっと人生を楽しめる方法はないのか
実際に、投資やビジネスで上手くいっている方は、常に時間の使い方や言動などにも無駄がなく、ポジティブな思考を持っているように思います。
これらは目先の問題に囚われず、本来の目的にフォーカスしているからこそ持続できるのでしょう。すなわち、「生きがいの創造」で説いているブレイクスルー思考を実践しているのです。
あくまで精神論の側面が強いことは否めませんが、経済面だけではなく、自分自身や世の中の見方まで変えることで、ビジネス、投資にも好影響を与える可能性はあるでしょう。
「生きがいの創造」はスピリチュアル?総括
スピリチュアルの語源は、ラテン語で「宗教、精神世界、霊性、魂、神、超自然」と訳されます。
しかし、「生きがいの創造」において、スピリチュアルは精神の在り方や自己意識とも捉えられるように思います。実際に読み、宗教や魂とは違った世界観だと感じたからです。現に、著者の飯田氏は次のように述べています。
- 「生きがいの創造」は発想法であり、真理ではない
- 「生きがいの創造」は人生の杖であり、今日を生きるために必要な道具である
- 「生きがいの創造」は、自分なりに加工して使うべき
- 信仰する宗教でも良いが、本来自分なりの神様を持って行動すればよい
以上のことから、本書は一般的に認知されるスピリチュアルな内容というより、生き方や人生における振る舞い方が学べる書籍と言えるのではないでしょうか。
「生きがいの創造」をして、充実した人生を歩もう | まとめ
本記事では、200万部を超えるベストセラー「生きがいの創造」について、あらましや実際の症例などを解説しました。
「生きがいの創造」には、「前世」「あの世」といったスピリチュアな要素も含まれていますが、ブレイクスルー思考などの実用的な手法も学べる書籍となっています。
著者は動画でも講演を発信しているようなので、興味がある方はチェックすると良いでしょう。投資やビジネスでのパフォーマンスを好転させる、一つの考え方として捉えてみてください。
「生きがいの創造」読んで、さわが実行していること
私は本書を読み、自分の人生の目的とは何か、と言うことを考えるに至りました。
結果、目の前の仕事、お金、時間に囚われるのではなく、家族、友人、同僚、社会など、自分が存在することで、全ての周りの人にプラスの影響を与えたい、と考えるようになりました。
そのために今自分ができること、それはボランティア活動や寄付活動だと思い、自分の持つ知識や経験スキルが活きる分野で奉仕活動を精力的に行っています。
本記事を読まれた方にも押し付けはしませんが、一度、本書を手に取り、自分の人生の目的について考えてみるのはいかがでしょうか。